幼いころのアレルギーは成人までに良く なるケースが大半です。ただし早期治療 と予防のためのコントロールが必須です(2011年9月17日号掲載)

 

Vol.14 子どものアレルギー

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ドクターに聞きました
五百井小児科
五百井 寛明 先生
 ◆遺伝性に環境因子 子どもアレルギーが増加中
アレルギー疾患は、原因となる物質(アレルゲン)が体内に取り込まれることにより、さまざまな症状を引き起こす疾患です。子どもの場合、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎が代表的でしょう。子どもがアレルギー疾患にかかる原因の一つとして、両親のどちらかにアレルギーがあるとその子どももアレルギー疾患になる確率が高いとされてきました。しかし最近は、両親にアレルギーがなくても子どもが発症するケースがあり、遺伝性が原因とは一概に言えなくなりました。こうした変化は環境因子によるところが大きいという見方もあります。
 ◆早期治療とコントロール治療で アレルギーマーチを食い止める
110917-2.gifアレルギー疾患をもつ子どもは、成長するにつれ病気が変化していくのが特徴です。次々に病気が発症していく様子を行進曲(マーチ)になぞらえて「アレルギーマーチ」(図1)と呼びます。乳幼児期は食物アレルギーやアトピー性皮膚炎と診断され食べられない食品があったとしても、3歳ごろまでには自然と口にできるようになることが多く、代わりに気管支喘息を発症するケースが増加してきます。また、気管支喘息と診断された子どもたちの多くも中学生になるころには発作の回数が減り、今度は花粉症などのアレルギー性鼻炎と診断されることが増えてきます。このように、子どものアレルギー疾患は大人になるにしたがって変化したり治ったりするものなのですが、なかには自然治癒する年代を超えても症状に悩まされ続け、複数のアレルギー疾患を合併し苦しむ子もいるのです。そうならないためにも、早期の適切な治療と、症状を予防するためのコントロール治療がカギとなってきます。
 ◆アレルギー疾患の特徴を知って根気良く治療しよう
110917-3.gif先に述べたように、子どものアレルギー疾患はさまざまあります。代表的なアレルギー疾患の特徴を簡単に説明しましょう。
1.気管支喘息…ハウスダストやダニが誘因となり発症します。風邪のウイルスや気候・気圧の変化が引き金となることも。発作的な咳や「ひゅーひゅー、ゼイゼイ」といった苦しそうな呼吸が特徴。重症の場合は呼吸困難で死亡するケースも。最近は2歳以下の低年齢発症もみられます。
2.食物アレルギー…卵や乳製品、小麦粉などの食物が原因で嘔吐(おうと)やじんましん、下痢、顔の腫れなどがみられる疾患。ひどい場合、呼吸困難や意識障害、血圧低下などを引き起こすこともあり、命にかかわるケースも。
3.アトピー性皮膚炎…食べ物やハウスダストなどが原因で、皮膚にかゆみを伴った湿疹を発症します。全身にジュクジュクした湿疹が広がり、体に必要な栄養分が足りなくなったり発育に影響が出る子どももいます。
4.アレルギー性鼻炎…花粉やハウスダストなどが原因で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。特にハウスダストが原因の場合は通年症状が特徴で、花粉もイネ科やキク科の植物が原因の場合は夏から秋に発症します。  アレルギー疾患の治療の目標は、症状を起こさないよう病気をコントロールして、いかに子どもたちの健やかな生活を守るかです。症状が出たら早めに受診して発作を放置しないこと。また、症状がなくなったからと勝手に薬を止めないことも大切です。信頼できるかかりつけ医を見つけ、親子で根気良く治療を続けていきましょう。