転ばぬ先に! 毎日コツコツ“貯骨”しよう 予防も治療も食事と運動の心掛けが大切(2011年10月22日号掲載)

 

Vol.10 骨粗しょう症

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ドクターに聞きました
坂田整形外科・リハビリテーション
坂田 敏郎 院長
 ◆骨粗しょう症ってどんな病気?
人体は206個の骨から骨格が形成され、そこに筋肉が付き、関節を動かします。指令を出すのは神経。このように、人が歩き動くための臓器の総合体を“運動器”と呼び、その柱になるのが骨です。
骨は鉄筋コンクリートに例えられます。枠組みの鉄筋がコラーゲン繊維=骨質で、その周囲に、コンクリートに相当するミネラル(主にカルシウム)=骨密度が詰まっている状態。どちらか一方でも少なくなれば、骨は弱くなります。骨の中身がスカスカになり、もろくなった状態が骨粗しょう症です。
骨折が治るように骨も新陳代謝を繰り返します。古くなった骨は少しずつ破壊され、新しく再生されています。この骨代謝を調節するのが、さまざまな種類のホルモン。その一つが女性ホルモンです。閉経でホルモンバランスが崩れると、骨の破壊ばかりが進み、再生が追いつかない状態に。閉経前後の女性の有病率が高い(50歳以上で24%)のもうなずけるでしょう。骨の量は、男女とも 30代をピークに徐々に低下します。超高齢社会を前に、今後さらに患者数が増加することは想像に難くありません。
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 ◆骨折予防が最大のテーマ
 骨粗しょう症の症 状で最も怖いのは骨折です。骨がもろくなると、転倒しただけで骨折しやすくなります。高齢者の手首、腕や足の付け根の骨折は転倒によるものが大半です。もろくなった背骨は、ちょっとしたことで変形し、圧迫骨折を引き起こすことに。背中が丸くなったり、腰が曲がったりする原因になります。骨折や変形は痛みや腫れを伴い、部位によっては手術が必要な場合も。
111022-4.gif高齢者にとって、骨折は治るのに時間がかかる上、体を使わない間に筋力が低下し、最悪の場合、寝たきりになる人も少なくありません(左図参照)。さらに、寝たきりは、痴呆をはじめとする合併症の誘因にもなります。いずれにしてもQOL(生活の質)が大幅に低下することは確か。転んで骨折しないように気をつける必要があります。
 ◆生き生きと楽しい老年期のために
 骨粗しょう症は食事、運動、薬物により、治療を進めます。食事は、カルシウムとビタミン類の摂取が大切。下表を参考に、カルシウムは1日800mgの摂取を目標に。腸管でのカルシウム吸収を助けるビタミンDも必要です。ビタミンDは、日光に当たることで活性化するので、日光浴を心掛けましょう。ビタミンKは、骨の質を高め、骨を健康にします。  運動は薬物療法に匹敵する効果があります。骨は負荷をかけることで強化されます。体操やウオーキングなど、自分に適したスタイルを見つけ、若い頃からコツコツと“貯骨”を。  予防薬、治療薬ともに、さまざまな薬が開発され、最近は、骨新生を促し、骨折を予防できる皮下注射薬も出てきました。骨折率が下がれば、老後の生活が有意義に過ごせます。いくつになっても自由に体を動かし、楽しい毎日が送れるように、食事に気をつけ、運動を心がけ、薬を有効に利用して、骨粗しょう症を予防しましょう。40歳になったら、半年に1回は骨密度検査を受けられることをおすすめします。
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