子宮頸がんはがんで唯一原因と予防策がはっきりしている病気です(2011年11月26日号掲載)

 

Vol.15 子宮頸がん

medi-111126-1.jpg
ドクターに聞きました
井上産婦人科医院
院長 井上久 先生
 ◆女性の大半がHVPに感染経験あり
子宮頸がんは幅広い年代の女性にみられますが、最近は特に20~30代の女性に急増しています。主に性交渉による発がん性ヒトパピロマーウイルス(HPV)の感染が原因で起こる病気です。このHPVというウイルスは人間の皮膚や粘膜に存在し、特別なものではありません。100種類以上あるHPVのなかで、15種類ほどに発がん性があるとされています。その中でも特に16、18型のウイルスが子宮頸がん患者の60%に見つかっています。子宮の入り口付近にでき(図1)、自覚症状がないため、静かに進行していく怖さがあります。性交渉経験のある女性の80%以上が一生に一度は発がん性HPVに感染していると言われています。しかし、その90%以上は自然消失するため、がんには至りません。まれにウイルスが排除されず体内に残る場合があり、がん化するとみられています(図2)。その割合は発がん性HPV感染女性の、666.66人に1人。年間約1万5000人が子宮頸がんと診断され(初期も含む)、3000人から3500人が命を落としています。
 ◆ワクチンと定期健診できちんと予防
medi-111126-2.gif子宮頸がんは唯一、発症原因がはっきりしているがんです。初期の段階で見つかれば、子宮は部分切除で温存することができ、妊娠や出産も可能です。また最近は日本でもワクチン接種で予防ができるようになりました。 今年、国と自治体が公費助成制度を開始し、その対象は姫路市では14歳から16歳の女子となっています。接種するなら性交渉経験前のほうがよく、現在認可されている2種類のワクチンは9歳か10歳から受けることができます。発がん性HPVは何度も感染することがあるため、性交渉経験のある女性も接種して次の感染を予防することも大切です。ワクチンは半年かけて3回接種し、今のところ大きな副作用は認められていません。
抗体の持続期間は不明ですが、20年くらい持続するのではないかと言われています。
ただし、現在のワクチンは16、18型の感染予防が主。残りの発がん性HPVには効果がないため、接種したからといって子宮頸がんを100%防げるとは限りません。けっして安心せず、1年に1度は定期検診を受けるようにしてください。
 ◆不安を解消。専門医が強い味方に
 姫路市の子宮頸がんワクチンの接種可能な医療機関(HPVワクチン接種医療機関)は、姫路市保健所のホームページで公表しています。
内科、小児科、産婦人科で接種できますが、産婦人科を受診すれば、ワクチンについてのみならず、専門医として子宮頸がんに関しての疑問にも的確に答え、アドバイスしてくれるでしょう。
子宮頸がんは、ワクチン接種による予防と定期検診で発症をゼロにすることができる病気です。
女性のみなさんは正しい知識を身に付け、賢く向き合っていきましょう。
medi-111126-3.gif